

松川税理士事務所 様
失敗を恐れず“やってみる”の雑草魂で導入。トップダウンで一気に定着へ!
- 【業 種】
会計事務所
- 【所 在 地】
- 沖縄県豊見城市
- 【活用用途】
RPAによる業務の効率化
- 【写 真】
お話を伺った方
松川税理士事務所
代表 松川 吉雄 先生
平良 佳則 様
安良城 きよみ 様
赤嶺 悠圭 様
導入前の状況
- 職員の健康(目の疲れ、肩こり解消)・業務効率化・給与アップを実現したいと考えていた。
- 確定申告など繁忙期の業務負担が大きく、業務の単調さからくるミスを無くしたいと思っていた。
- ITが得意というわけでもなく、RPAに関する知識はほとんどなかった。
ASIMOV選定の要件や決め手
- 税理士会で信頼できる方から紹介されたことが決め手。
- 税務・会計に精通したコンサルタント・エンジニアによる支援体制に魅力を感じた。
導入による効果
- 確定申告業務で決算データ等の達人への取込を自動化。3日間の作業が1日で終了した。
- 月次の法人決算申告業務を自動化。ロボットと働くことが日常となりつつある。
- RPA専門チームを結成。業務効率化について職員自身が考え行動する文化が芽生えつつある。
松川税理士事務所様は、沖縄県内でも有数の規模を誇る税理士事務所です。現在は約2,000件の顧問先を持ち、法人・個人を問わず、法人税、所得税、相続税といった一般的な税務から、事業承継や不動産売買、記帳代行、融資相談など、幅広いニーズに対応されています。さらに、行政書士業務も手がけており、建設業の許可申請等もワンストップで対応可能です。松川先生は沖縄税理士会の会長も務めたご経験があり、地域の税務業界をリードされていらっしゃいます。
「“雑草魂”が支える現場力―未経験からプロへ育てる事務所文化」
[ASIMOV ROBOTICS株式会社(以下)] 本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、松川税理士事務所様の強みについて教えていただけますか?
当事務所の特徴は一言で言うと「雑草」です。資格、経験の有無にかかわらず積極的に人材を採用しており、職員の約6割が、全くの未経験からの入所です。それでも入所後に、しっかりとした教育を施すことで、税務・会計・行政書士業務など、全方位に対応できる力強い職員へと成長してくれています。
また、今年の4月からは税理士を増員し、税目ごとの専門性をより一層高めた体制づくりを行いました。これにより、顧問先企業に対して、より高度で的確なコンサルティングサービスの提供が可能となっています。
昨今は、採用難から未経験者を採用する事務所も増えていますが、松川様では以前からそういった取り組みをなさっていたということで素晴らしいですね。
松川先生
「“失敗を恐れずやってみて、うまくいかなければ改善すればいい”で導入を決断」
RPAを導入されたきっかけについて、お聞かせください。
長年事務所を運営してきた中で、目の疲れや肩こりを解消してあげたいという職員の健康面への配慮、業務効率化、そしてそれに伴う報酬アップというテーマを常に考えていました。これらを実現する手段の一つとして、RPAの活用を検討し始めました。ですが、私どもはITに特に詳しいわけではありませんので、正直言って最初はRPAというもの自体をあまり理解していませんでした。
ただ、私どもは頭でっかちにならずに「まずやってみる」という文化を大切にしておりますので、RPAの導入についても“まずはやってみよう”という決断をしました。新しいことには常にリスクが伴いますが、やってみて問題があれば改善していけばいいんです。実際、過去には導入に失敗したソフトウェアなどがいくつもありますね。でも、その文化のおかげで、コロナ禍の前からリモートワークが定着していました。私どもでは、離島という環境を考え、対面、リモートそれぞれの良さがあると考え早くから導入していたんですよ。
平良様
「信頼できる事務所からの紹介で、ASIMOV-One for ZEIMUを迷わず選択」
数あるRPAサービスの中から、ASIMOV-One for ZEIMUを選んでいただいた理由は何でしょうか?
はい、九州税理士会が開催していたデジタルフォーラムに参加した際、九州北部税理士会のデジタル部長さんからASIMOVさんを紹介されたのがきっかけです。ITに詳しくない自分達が時間をかけて調べるより、業界の中で信頼できる方からの推薦を信用した方が確実と、他のベンダーと比較することもなく決めました。
「まずは、現場主導でスタート。壁に当たった際に、トップダウンで浸透を徹底しました!」
実際に導入が始まってから、現場での活用は順調に進みましたか?
必ずしも順調ではありませんでした。まずは、職員の自主性を尊重したいと思い、現場主導でスタートしました。各課においてRPA担当を任命し、進めていくというやり方です。このやり方で、ある程度の効果はありましたが、どうしても全面的に使っている課と、これまでのやり方を変更することに抵抗がある課とが出てきてしまい、利用が頭打ちになってしまっていました。ASIMOV-Oneでは、活用状況をデータで確認できる稼働レポートが毎月送られてきますので、その状況を早期に把握することができました。
どの事務所様でも起き得る状況かと思いますが、どのように突破されたのか、是非、お伺いさせてください。
所長からトップダウンで、「導入したからには、しっかりと活用するように」と檄を飛ばしました。
これを受けて、RPA担当チームを中心に改善案を話し合い、状況が大きく前へ進みました。毎日11時に必ずロボットを稼働させ、「申告は全てロボで行う」という運用ルールを徹底しました。1〜2件なら手作業で処理してしまうといったこともあったのですが、一人一人がそれをやってしまうと、全体でものすごく大きなロスになります。今では、RPAの利用を習慣化することができ、ほとんどすべての申告業務をロボットで処理するまでに定着しています。なお、今はロボットの起動は、課ごとに当番を決めて回していますが、いずれは自動実行に切り替えたいと思います。
安良城様
「確定申告時に導入したオリジナルロボットで、部長が3日間かけていた業務が1日で完了!」
RPAで自動化された業務と効果について、具体的にご紹介いただけますか?
月次では、法人税の申告業務を自動化しています。ミロクの税務ソフトにおける「署名・申告」および「受信通知・完了報告書の取得」業務です。これらは、パッケージロボットを導入しています。
2つ目は、私ども独自のオリジナルロボットとして開発していただいたもので、確定申告業務における決算データの取込みと消費税額の入力の自動化です。こちらは、達人を使っています。疲れが溜まっている繁忙期に単純作業を繰り返し行なっていると眠くなりますし、特に沖縄では同姓同名の方が多いために取り違えによるミスが起こりやすい。これが、ロボであれば、顧客番号ベースで処理を行いますので、そのようなミスも完全に防止できます。そのため、チェック作業や間違った時のやり直し作業がそもそも発生しません。この業務だけで、3日ほどかかる大変な作業だったのですが、自動化によって丸2日以上の工数削減ができました。
確定申告時期の「2日間」は、通常の2日とは重みが異なります。特に、この業務は部長が行なっていましたので、費用対効果は非常に大きかったと思います。
今後は、お客様へお渡しする成果物作成を自動化し、申告から一期通貫での自動化を実現したいと考えています。これにより、事務所全体の業務効率が飛躍的に向上することが期待されます。また、会計ソフト「会計大将」では内訳書出力などの自動化も検討しています。
赤嶺様
「繁忙期でもメンテが早い!―会計事務所でのRPA運用を熟知したサポートが心強い!」
弊社のサポート体制はいかがですか。
メンテナンスがすごく早いです。繁忙期の時には、どうしても時間がかかるかなと覚悟していたのですが、業務に支障があるようなこともなく、とてもスムーズでした。
また、早さだけでなくサポート体制がとても充実していて助かっています。特に、こちらがITに関する専門知識を持っていないことを前提に、エラーの原因などを丁寧に説明してもらえる点がありがたいです。また税務・会計業務をとてもよく理解しているだけでなく、他の事務所におけるロボットのエラーなども熟知しているので、解決方法の提案などもしていただけるので心強いです。
「豊富な導入実績に基づくアドバイスが参考になるマンスリーコンサル」
月次で提供している稼働レポートやマンスリーコンサルティングについての感想もお聞かせいただけますか?
非常に有用だと感じています。稼働レポートでは、ロボットがどの程度使われているか、どのタイミングで、どのような業務を行ったのか、さらにはメンテナンスに要した時間と内容まで詳細に記録されています。この情報があることで、所内の運用状況を客観的に振り返ることができるようになり、「もっと活用できる余地があるのではないか」といった気付きにもつながっています。
また、マンスリーコンサルティングでは、導入初期に特に助けられました。というのも、最初のころは「ロボをどう使っていいか分からない」「次にどんな業務を自動化すべきか分からない」といった不安がありました。しかし、ASIMOVさんから他の会計事務所での事例をご紹介いただきながら、自分たちと同じような悩みを持っていた事務所がどう克服していったのか、何を自動化して成果を出しているのかという具体的な情報が得られたことで、次の一手を考える大きなヒントになりました。

「RPA活用が浸透したことで、次に自動化したい業務がイメージできるようになりました!」
今後、RPAをどのように活用していきたいとお考えですか?
先ほども申し上げました、成果物作成や内訳概況書の出力の他にも、自動化に向いているのではないかと考えている業務がいくつかあります。活用が進むことで、RPA化のイメージがつきやすくなってきましたのですが、具体的にどんなふうにお願いしたらいいのかが、まだ十分にはわかっていない点もあります。是非、今後も相談に乗っていただきたいです。
もちろんです!

豊見城事務所の皆様
石垣事務所の皆様
取材を終えて
松川税理士事務所様の取り組みは、RPAの導入が単なる業務効率化にとどまらず、職員の育成や働き方改革、サービス品質の向上にまで波及している素晴らしい事例でした。「まずはやってみる」という前向きな姿勢と、現場を尊重しつつも必要な時に所長がしっかりとリーダーシップを取るといった体制が、導入成功の鍵となっていると感じました。
実は、インタビューに伺った際に、「次に自動化したい業務内容があるので、具体的に話を聞いて欲しい」と言って準備をしてくださっていました。RPAを活用することが、当たり前になっているのを感じ、とても嬉しく思いました。
今後、ますます効率化が進み、“テクノロジー”と“雑草魂”が融合した事務所として進化してくださることを確信しています!

インタビューに対応していただいた皆様とCEO藤森とで記念撮影です!
お忙しい中、インタビューのご対応ありがとうございました!